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Channel: shiotch7 の 明日なき暴走
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Nowhere Man [EP] / The Beatles

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 新年あけましておめでとうございます。今年も好きな音楽を好きなだけ聴いて、その感想を好きなように書き散らかしていきますので、どうぞよろしくお付き合いください。

 私は去年の後半からずっとシングル盤にハマっており、このブログでも “ビートルズUKシングル盤特集” を継続中なのだが、ピクチャー・スリーヴの無いシングル盤ではお正月には地味すぎて面白くないので、今日は少し趣向を変えて同じ45回転盤でもピクチャー・スリーヴのあるEP盤でいってみたい。
 EP盤というのはいわゆるひとつの “4曲入りコンパクト盤” のことで、ティーンエイジャーにとってLPが高級品だった60年代には結構ポピュラーな存在。日本盤は何故か33回転なので音質的メリットはゼロに等しいが、本国イギリスでは片面2曲入りで45回転盤としてリリースされており、片面1曲のシングル盤には及ばないまでも少なくとも理論的には33回転盤よりは音が良いはずだ。
 実を言うと、10年ほど前にUKオリジナルLPを集めていた時に、ピクチャー・スリーヴがカッコ良いEP盤も何枚かジャケ買いしたことがあるのだが、当時はEP盤の識別法に関して全く無知だったので、GRAMOPHONEリムで “SOLD IN U.K....” リマークの無い69年製の再発盤をそれとは知らずに買ってしまい、届いた盤が見た目も音も薄っぺらかったので “あちゃー、再発盤を取ってしもうた...” とガッカリし、それ以降は時々眺めて楽しむだけの目の保養盤になっていた。
 今回私がシングル盤特集を始めた時にfab-forさんやchusanさんから “EP盤もいったらどうですか?” という悪魔のお誘い(笑)を受け、“先のお楽しみに取っておきます” と答えはしたものの、実際はお二人の言葉が私の心の奥底に眠っていたEP盤への想いを呼び覚まし、 “今度は再発盤ではなく1stプレス盤の音を聴いてみたい!” という気持ちが日に日に高まっていって、気がつけば毎日 eBayでチェックするようになっていた。メイン・ターゲットはサイケなジャケットがめちゃくちゃカッコ良い「ノーウェア・マン」と、4曲すべてオリジナルLP未収録という「ロング・トール・サリー」の2枚だ。
 まず驚いたのが「ノーウェア・マン」の実勢価格で、私がアホみたいな安値で買った再発盤ですら£40~£50、今回狙っている1stプレス盤に至っては最低でも£100(約18,500円)以上はする。海外がダメなら国内があるわいと今度はヤフオクで検索してみると、更に厳しい現実が私を待っていた。即決価格60,000円だ。ろくまんえん??? マジか??? 説明書きには“英国オリジナルEPの中で最もレアで人気がある” だとか “英国オリジナルEPの最高峰” だとかいった美辞麗句が並んでいる。果たしてEP盤1枚に6万円も払う阿呆がこの世にいるのだろうか? ということでヤフオクは論外、やっぱりeBayで安い開始価格で出品された時に入札しようと網を張って虎視眈々と待ち続けた。
 それから約2週間後、私が狙っている1stプレス盤が開始価格£10.00で出品された。盤のコンディションはVG+... こいつは狙い目だ。〆切時刻は平日早朝の4時半ということでイギリス時間に合わせた早起きは約1ヶ月ぶりだがそんなことは気にしない。仕事よりも趣味が優先である。どうやら今年最後の大勝負になりそうだ。そして決戦当日、眠い目をこすりながらも〆切3秒前に入魂の£50.02(←.02がセコイでしょ)ビッド... ドキドキしながらF5を押して画面を更新するとそこには緑色の文字で£46.00と表示されていた。やったー、無事落札だ(^o^)丿 日本円に直すと8,500円ぐらいだが、今年1年頑張った自分へのご褒美盤としてはこれ以上の物はない。
 ブツが届いたのは12月25日... 自分から自分への(笑)最高のクリスマス・プレゼントだ。ピクチャー・スリーヴは再発盤とは違ってしっかりとコーティングされ、艶々と輝いている。やっぱり本物はエエなぁ... (≧▽≦)  サイケな雰囲気横溢のジャケットのカッコ良さがハンパない。ワクワクしながら早速ターンテーブルに乗せる。ちょうどその2日前に45回転盤ならではの迫力満点サウンドを更にパワーアップさせてやろうと思い、オーディオ機器の端子やピンプラグに接点復活剤を塗布して汚れや酸化被膜を取り除き、システムの完全クリーニングを行ったばかりだったのだがその効果はてきめんで、イントロ無しでいきなり “ヒィザァ リィアァ ノォウェァ マ~ン♪” と分厚いコーラスがスピーカーから飛び出してきた時は腰を抜かしそうになった。松田優作ではないが、まさに “何じゃこりゃぁ...(゜o゜)” である。続く「ドライヴ・マイ・カー」も凄い音だ。B面の「ミッシェル」や「ユー・ウォント・シー・ミー」にしたって音に芯があるのでヴォーカルの説得力が違う。
 ここまで書いてきて、ひとつ面白い考えが閃いた。これは「ラバー・ソウル」の音源だ... 「ラバー・ソウル」と言えば、私がビートルズLP史上最強のサウンドと信じて疑わない UK 1st プレスのラウドカット盤が存在する... 「プリーズ・プリーズ・ミー」対決ではあのゴールド・パーロフォンLPですらレッド・パーロフォン・シングル盤の轟音には及ばなかったが、今回はどうだろう...(-。-)y-゜゜゜ ということで、お正月ならではの特別企画、“45回転パワー vs 究極のラウドカット” の聴き比べ対決をやってみた。
 まず先にEPをかけ、続いて同じ曲をLPで聴くといういつものパターンで比較。昨年末にやった「イエロー・サブマリン」や「エリナー・リグビー」の時はシングルの後に「リヴォルヴァー」ヴァージョンをかけると音像が小さくなり音が奥へ少し引っ込んだ感じになったのだが今回は立場が逆転、「ノーウェア・マン」ではコーラスの分厚さとそれがスピーカーから迸り出てくる勢いを、「ドライヴ・マイ・カー」ではギターのキレ味とベースの重低音を比較ポイントの中心に置いて聴いたのだが、後からかけたLPの方が音圧・迫力の点でも7対3かヘタをすれば8対2ぐらいの大差で勝っている。EPも確かに凄い音をしているのだが、上には上がいたというべきか、さすがは901さんがポールのベースの重低音に腰を抜かした史上最強のラウドカット盤だ。今もあまりの轟音にコーフンし、思わずヴォリュームを上げて3回連続で同じトラックを聴いてしまったではないか! 新年早々俺は一体何をやっとるんや... (≧▽≦)  下に両方アップして貼り付けておきましたので興味のある方はご自分の耳で違いを聴き比べてみてくださいな。
 ということで、さすがにラウドカットLPには及ばなかったものの、音良し、ジャケット良し、選曲良しと3拍子揃ったこのEP盤は私にとってかけがえのない宝物。特にこの雰囲気抜群のジャケットは最高だ。去年取りまくったシングル盤にはカンパニー・スリーヴしか付いてなくてめっちゃ味気ないので、このお正月はパソコンとプリンターをフル活用してシングル盤用のオリジナル・ジャケットでも作ってみることにしよう。
Nowhere Man EP

Nowhere Man Loud Cut


Drive My Car EP

Drive My Car Loud Cut

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