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Channel: shiotch7 の 明日なき暴走
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「Layla」のUK “真正” 1stプレス盤ゲット!

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 少し前にヤフオクで色々とレコードを見ていた時のこと、アイテム写真下の「この商品も注目されています」の欄にデレク&ザ・ドミノスの「Layla」が3万円ぐらいの値段で出ているのを見つけた。私は「Layla」のUK初回盤を確か£20ぐらいで手に入れた記憶があり、US初回盤も$20弱だったので “レイラってそんなに高かったっけ???” と興味を引かれた。
 “これってヤフオクでよく見かける素人コレクター狙いのボッタクリかな?”とも思ったが、“もしかして何か凄いレア盤なのかも?” という好奇心に駆られて見てみると、タイトルに [稀少] UK初回マト A1/B2/C1/D2 [Peter Maurice 表記] と書いてある。 Peter Maurice? 誰やそれ? ゼップの Peter Grant みたいなモンか? と不思議に思ってネットで調べてみると、“初回マトの中でも最初期プレスの盤は Side-3のTrack 3の楽曲クレジット表記が Peter Maurice になっており、その後すぐに Lark Music に変更された” のだという。ちょうど「With The Beatles」UK 1N盤「Money」の Jobete → Dominion Belindaみたいなものだろう。
 へぇ~、そうなんや...(゜o゜)  自分のUK盤は確か eBayで1st プレスって書いてあるのを買った記憶があったが、念のためにと思って確認すると、そこには無慈悲な Lark Music の文字が...(*_*)  えぇ... 騙された... あるいはセラーが無知だっただけなのかもしれないが、とにかく私がUK 1stプレスと信じて聴いてきた盤は実は2ndプレスだったという厳しい現実に直面させられた。
 まぁ中途半端な知識しかないのにセラーの言葉を鵜呑みにした私が悪いのかもしれないが、そんなことよりもまず「Layla」のUK 1stプレス盤を手に入れることが先決だ。同じ失敗を繰り返さないためにネットで色々調べてみたところ、1stプレスの条件としては、①マトリクスがA1/B2/C1/D2、②センター・レーベル外縁部が凸ではなくフラット、③Side-3のTrack 3の楽曲クレジット表記が Peter Maurice 、というもので、更に④Side-2の楽曲クレジット表記が2行ではなく3行のものが1stプレスの中でも earliest なのだという。
 早速eBayをチェックしてみたところ、UK 1stプレスというタイトルで数枚出品されていたが、そのどれもが Lark Music 表記だった。次に Discogs を見てみたが、1970年にUKでリリースされた「Layla」だけで何と9種類も載っていてビックリ。ここのセラーには商品説明の写真とは違う盤を平気で載せているド素人が少なくないので、いちいちセラーにメールして確認するしかない。私は盤質 VG+以上のブツを出品しているセラーに片っ端からメールして返事を待った。
 結局上記の条件④を満たしている盤は1枚だけでしかも送料込みで4万円以上もしたので即却下。それ以外ではアイスランドのセラーが盤もジャケットもキレイな Peter Maurice表記盤を出していたが、送料が$52とバカ高いのと、メールした直後に$10も値上げするという畜生っぷりにムカついたので即ブロック。結局残った中で盤質が一番良さそうな盤をイギリスのセラーから購入したのだが、ジャケットの縁がセロテープで補修されているということもあってか、たったの£28で買うことが出来た。送料込みでもヤフオクの1/3以下、アイスランド鬼畜野郎の約1/2の値段で買えたのが嬉しい。後は盤質が説明通りのコンディションであることを祈るのみだ。
 イギリスから2週間で到着したパッケージを開封して早速レコードをチェック。ジャケットのセロテープ補修が痛々しいが、肝心なのはレコード盤の方だ。マトリクスもフラット・レーベルも、そしてもちろんPeter Maurice表記もセラーの説明通りで、しかも嬉しいことに盤面も無傷のピッカピカ状態だったので大喜び。そして最後にデッドワックスに刻まれたスタンパー・ナンバーを見てぶったまげた。何と 1/1/1/1,、つまりスタンパーが “オール1” という奇跡的な盤だったのだ。
 Side-2の楽曲クレジットは3行じゃないので上記の条件④の信憑性に関しては大いに疑問符が付くことになるが、そんなことはどうでもいい。私にとっては盤質とスタンパー・コードこそが大正義なのだ。この「Layla」はビートルズで言えば 1G/1G、つまり最も若いスタンパーから作られた盤だということだ。因みにこのレコードはイギリスの老コレクターが終活の一環(!)として出品していたもので、“発売日にロンドンのレコ屋で買った...” とメールでは言っていたが、まさかこんな究極の最初期プレス盤を、しかもNM状態で手に入れることが出来るとは夢にも思わなかった。
 いつものようにウルトラソニック・クリーニングを行った後、ワクワクドキドキしながらレコードに針を落とすと、静寂の中からそれまで聴いたことがないような生々しい「Layla」がスピーカーから飛び出してきた。何じゃこりゃ!!!と思わず ! を3つも付けてしまうような凄い音だ。UKオリジナル盤はUS盤とは違ってラフ・ミックス、つまりお化粧を施していないすっぴんのレイラが楽しめることで人気が高いが、今、目の前で鳴っているのは “これまで聴いてきたレイラは一体何やってん!” と叫びたくなるような異次元のサウンドだ。中でも一番感銘を受けたのはギターの音の尋常ならざる野太さと抜けの良さで、とにかく 2nd プレス盤が裸足で逃げ出すくらいの超絶リアリティーなのだ。この衝撃は「Please Please Me」の 1G/1G盤を聴いた時の感動に近いものがある。
 元はと言えばヤフオクで見かけた盤がきっかけとなってとんでもない大物をゲットしたことになるが、これだからレコード・コレクターはやめられへんなぁ... と我が身の幸運をレコードの神様に感謝している今日この頃だ。

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