ポールのブート・コレクターにとって、ピカデリー・サーカスというレーベルは良くも悪くも気になる存在だ。EVと同じく、その音質評価が真っ二つに分かれるというのも興味深い。私がこのレーベルに対して抱いているイメージは、①とにかく値段が高い、②オーディエンス・ノイズ、特に奇声の類が少ない、③タイトルによって音質の当たり外れが大きいetc... だが、私のような貧乏コレクターにとっては何よりも①が最大のネックであり、2~3千円台で高音質盤が手に入るこのご時世では1枚6千円という価格設定には腰が引けてしまうというのが正直なところ。
自称 “ポールのスペシャリスト”(笑)のピカデリーは今回のアウト・ゼア・ジャパン・ツアーでも全公演のCDとDVDをそれぞれリリースするという力の入れようで、メーカー・インフォでも “ピカデリー・レーベルがあれば他にいらない” と鼻息も荒い。大阪/東京ドーム公演盤は6,200円と相変わらずの “ピカデリー価格” だが、この武道館盤のファースト・エディションだけはサウンドチェックが入っていないからか、3,800円という抑え気味の価格設定でしかもDVDまで付いているという。映像に関しては同レーベルから別カメラによる完全収録 DVD も出てはいるが、“ポールの武道館” を極めたい私としては伝説の武道館ライヴの映像は手に入るものは全てゲットしたい。ということで私は付属 DVD 目当てでこの盤を買った。
「アウト・ゼア・ジャパン・ツアー・2015 東京 28」と題されたこのピカデリー盤はT&Jをパクッた後発盤とは違い、本編ライヴ CD 2枚と DVD 1枚の3枚セットになっている。まず CD の音だが、ステージからは近すぎず遠すぎずといった感じで、かぶりつきのオンな音を期待すると肩透かしを食うかもしれない。ネット上では今回も評判が良いみたいだが、ウチのシステムで聴くと相変わらずシンバルはひしゃげたような変な音で高域はシューン!と伸びずに頭打ち状態だし、音楽で一番大切な中音域にもいまひとつ厚みが感じられない。極端な言い方をすれば、T&J盤の音量を上げていくとライヴ会場のド真ん中に入るような感動を覚えるのに対し、ピカデリー盤の音量を上げると喧しく感じる、といえば分かってもらえるだろうか? まぁ私のように壁が震えるぐらいの大音量で聴く人はそんなにいないとは思うが...
もう一つ残念なのは周りの観客の大騒ぎもそれなりに拾ってしまっていること。オーディエンス録音でサウンドボード並みの質感を目指すピカデリー・レーベルのセールス・ポイントは何をおいても “オーディエンス・ノイズの少なさ” にあると思うのだが、武道館だけはVIP無しで座席が全て抽選だったということもあってお得意の “最前列録音” が出来ず、しかも悪いことにこのテーパーさんの周りには元気な男性オーディエンス(笑)が何人もいたようで、ご自慢の “ドイツ製特注マイク” が周りの騒音を少なからず拾ってしまっているのだ。まぁライヴなんだからオーディエンス・ノイズの類に文句を言うのは筋違いなのは百も承知だが、ポールのMCよりも隣りの “ホーホー!” の方が大きな音で入ってしまっているところや「ワン・アフター909」での音痴なガナリ声はちょっとカンベンしてほしい。
しかし悪いことばかりではない。というかオーディエンス・ノイズに関しては上記の欠点を帳消しにしてお釣りがくるぐらいの長所がこの盤にはあるのだ。それは例の “アーゥ!” があまり聞こえないこと(笑) これは私にとって非常に重要なポイントで、スキッツォイドの本性丸出しで吠えまくる “アーゥ!” 連発に比べればこの盤の “ホーホー!” の方がまだ遥かにマシだ。
又、ピカデリーが忌み嫌っている手拍子もかなり入っているが、私個人としてはライヴの手拍子はそれほど気にならないし、むしろあった方が良いと感じることの方が多いのでこれに関しては全く問題ナシ。この盤でも「1985」や「アイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイス」、「ダンス・トゥナイト」なんか “ポール・マッカートニー &1万人のハンド・クラッピング・リズム・セクション” みたいな感じでめっちゃエエ雰囲気だ(^o^)丿 皮肉なことだが、私がこの CD で気に入っているのは何を隠そう臨場感あふれる手拍子入りのトラックなのだ。ということで、 “あの熱狂と興奮のアリーナ席において手拍子もほとんど入っておらず...” などというメーカー・インフォを鵜呑みにしてはいけません。
One After 909 [PC盤]
I've Just Seen A Face [PC盤]
Dance Tonight [PC盤]
DVDの方はアリーナ中央やや左側からのシューティングで、たまたま角度が良かったのか、ライトの影響でポールの顔が白光りすることもほとんどない。手ブレ・ピンボケはそれなりにあるので人によっては酔いそうになるかもしれないが私的にはギリギリ許せるレベルだし、画質の方も少し粒子が粗い気がするが、これもまぁ許せるレベル。そんな些細なことよりもまずは下のドアップを見てほしい。ズームを駆使してポールの細かい表情まで捉えるのに成功しているところが素晴らしいではないか! このアングルからのポールのアップ映像を観れるだけでもこの盤を買う価値がある。ピカデリーに言わせればこの DVD はあくまでも “オマケ” なんだそうだが...(-。-)y-゜゜゜ DVD の音声は CD の音をそのまま使っているようだが、映像が主体になるので上記の欠点はほとんど気にならない。やっぱり映像はあった方がエエぞう(^.^)
↓この撮影位置から...
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↓ズームでこのクロース・ショット!
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↓殆どポール中心に撮ってるが、中にはこんなフォーショットも...
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ただ、メーカー・インフォに “残念ながら全体の9割程度の収録” とあるように、「アナザー・デイ」、「ブラックバード」、「アビーロード・メドレー」の3曲が未収録なのは仕方ないにしても、「ミスター・カイト」、「オブラディ・オブラダ」、「レット・イット・ビー」、「ヘイ・ジュード」の4曲が曲の途中でフェイドアウトするのは興醒めだ。特に「レット・イット・ビー」はわずか1分、「ヘイ・ジュード」に至っては最初の2分ほどで終わってしまいコーラス・パートが完全にカットされてるので、初めて観る人は驚かないように...(゜o゜)
ということでCDに関しては少し辛口の評価になってしまったが、ポールのクロース・ショット映像は観れるし、サウンドチェックが無い分安く買えたし、普通に聴く分には問題ない音質だし、大嫌いな “アーゥ!” は入ってないし(←これ重要!)で、私としては買って良かったと思える1枚なのだ。
自称 “ポールのスペシャリスト”(笑)のピカデリーは今回のアウト・ゼア・ジャパン・ツアーでも全公演のCDとDVDをそれぞれリリースするという力の入れようで、メーカー・インフォでも “ピカデリー・レーベルがあれば他にいらない” と鼻息も荒い。大阪/東京ドーム公演盤は6,200円と相変わらずの “ピカデリー価格” だが、この武道館盤のファースト・エディションだけはサウンドチェックが入っていないからか、3,800円という抑え気味の価格設定でしかもDVDまで付いているという。映像に関しては同レーベルから別カメラによる完全収録 DVD も出てはいるが、“ポールの武道館” を極めたい私としては伝説の武道館ライヴの映像は手に入るものは全てゲットしたい。ということで私は付属 DVD 目当てでこの盤を買った。
「アウト・ゼア・ジャパン・ツアー・2015 東京 28」と題されたこのピカデリー盤はT&Jをパクッた後発盤とは違い、本編ライヴ CD 2枚と DVD 1枚の3枚セットになっている。まず CD の音だが、ステージからは近すぎず遠すぎずといった感じで、かぶりつきのオンな音を期待すると肩透かしを食うかもしれない。ネット上では今回も評判が良いみたいだが、ウチのシステムで聴くと相変わらずシンバルはひしゃげたような変な音で高域はシューン!と伸びずに頭打ち状態だし、音楽で一番大切な中音域にもいまひとつ厚みが感じられない。極端な言い方をすれば、T&J盤の音量を上げていくとライヴ会場のド真ん中に入るような感動を覚えるのに対し、ピカデリー盤の音量を上げると喧しく感じる、といえば分かってもらえるだろうか? まぁ私のように壁が震えるぐらいの大音量で聴く人はそんなにいないとは思うが...
もう一つ残念なのは周りの観客の大騒ぎもそれなりに拾ってしまっていること。オーディエンス録音でサウンドボード並みの質感を目指すピカデリー・レーベルのセールス・ポイントは何をおいても “オーディエンス・ノイズの少なさ” にあると思うのだが、武道館だけはVIP無しで座席が全て抽選だったということもあってお得意の “最前列録音” が出来ず、しかも悪いことにこのテーパーさんの周りには元気な男性オーディエンス(笑)が何人もいたようで、ご自慢の “ドイツ製特注マイク” が周りの騒音を少なからず拾ってしまっているのだ。まぁライヴなんだからオーディエンス・ノイズの類に文句を言うのは筋違いなのは百も承知だが、ポールのMCよりも隣りの “ホーホー!” の方が大きな音で入ってしまっているところや「ワン・アフター909」での音痴なガナリ声はちょっとカンベンしてほしい。
しかし悪いことばかりではない。というかオーディエンス・ノイズに関しては上記の欠点を帳消しにしてお釣りがくるぐらいの長所がこの盤にはあるのだ。それは例の “アーゥ!” があまり聞こえないこと(笑) これは私にとって非常に重要なポイントで、スキッツォイドの本性丸出しで吠えまくる “アーゥ!” 連発に比べればこの盤の “ホーホー!” の方がまだ遥かにマシだ。
又、ピカデリーが忌み嫌っている手拍子もかなり入っているが、私個人としてはライヴの手拍子はそれほど気にならないし、むしろあった方が良いと感じることの方が多いのでこれに関しては全く問題ナシ。この盤でも「1985」や「アイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイス」、「ダンス・トゥナイト」なんか “ポール・マッカートニー &1万人のハンド・クラッピング・リズム・セクション” みたいな感じでめっちゃエエ雰囲気だ(^o^)丿 皮肉なことだが、私がこの CD で気に入っているのは何を隠そう臨場感あふれる手拍子入りのトラックなのだ。ということで、 “あの熱狂と興奮のアリーナ席において手拍子もほとんど入っておらず...” などというメーカー・インフォを鵜呑みにしてはいけません。
One After 909 [PC盤]
I've Just Seen A Face [PC盤]
Dance Tonight [PC盤]
DVDの方はアリーナ中央やや左側からのシューティングで、たまたま角度が良かったのか、ライトの影響でポールの顔が白光りすることもほとんどない。手ブレ・ピンボケはそれなりにあるので人によっては酔いそうになるかもしれないが私的にはギリギリ許せるレベルだし、画質の方も少し粒子が粗い気がするが、これもまぁ許せるレベル。そんな些細なことよりもまずは下のドアップを見てほしい。ズームを駆使してポールの細かい表情まで捉えるのに成功しているところが素晴らしいではないか! このアングルからのポールのアップ映像を観れるだけでもこの盤を買う価値がある。ピカデリーに言わせればこの DVD はあくまでも “オマケ” なんだそうだが...(-。-)y-゜゜゜ DVD の音声は CD の音をそのまま使っているようだが、映像が主体になるので上記の欠点はほとんど気にならない。やっぱり映像はあった方がエエぞう(^.^)
↓この撮影位置から...

↓ズームでこのクロース・ショット!

↓殆どポール中心に撮ってるが、中にはこんなフォーショットも...

ただ、メーカー・インフォに “残念ながら全体の9割程度の収録” とあるように、「アナザー・デイ」、「ブラックバード」、「アビーロード・メドレー」の3曲が未収録なのは仕方ないにしても、「ミスター・カイト」、「オブラディ・オブラダ」、「レット・イット・ビー」、「ヘイ・ジュード」の4曲が曲の途中でフェイドアウトするのは興醒めだ。特に「レット・イット・ビー」はわずか1分、「ヘイ・ジュード」に至っては最初の2分ほどで終わってしまいコーラス・パートが完全にカットされてるので、初めて観る人は驚かないように...(゜o゜)
ということでCDに関しては少し辛口の評価になってしまったが、ポールのクロース・ショット映像は観れるし、サウンドチェックが無い分安く買えたし、普通に聴く分には問題ない音質だし、大嫌いな “アーゥ!” は入ってないし(←これ重要!)で、私としては買って良かったと思える1枚なのだ。