YouTubeで面白いものを見つけた。アルバム「Please Please Me」のジャケットのジョン・ポール・ジョージ・リンゴの顔の部分にクイーンのメンバーの顔を貼り付けただけのジャケ写(←切り貼りが丸わかりのやっつけ仕事www)が目を引いたので説明を読んでみると What if Queen had recorded The Beatles' hits in their own style?(もしもクイーンが彼らの演奏スタイルでビートルズのヒット曲をレコーディングしていたとしたら...)と書いてある。要するによくあるパロディー・カヴァーなのだが、それが私の大好きな2大バンドのマッシュアップとくればこれは聴かずにはいられない。
早速「Revolution」を聴いてみたのだが、これがもうムチャクチャ面白い! 「Tie Your Mother Down」のイントロのギター・リフからスタートして、何の違和感も感じさせずに「Revolution」へと移行するところが痛快そのもの。どちらの曲もこれまで数百回、いやもしかすると数千回(?)聴いてきたくらいの愛聴曲だが、この2曲がこれほど合うとは思わなんだ。ミドル部分にさりげなく「Body Language」のベース・リフのフレーズをさりげなくブッ込んでくるあたりも芸が細かい。
Revolution - Queen play The Beatles
これは一体どこのどんなグループがやってるんやろう?と思ってさらに説明を読み進めると、何とグループではなくファビオ・ダンドレアというイタリア人がほとんど一人で作り上げたというからまたまたビックリ(゜o゜) マルチ楽器奏者で歌手で音楽プロデューサーという多才な人で、何よりもクイーンとビートルズの大ファンだという。そんな人が自分のスタジオで、ほぼすべての楽器演奏とプログラミング、歌入れ、更にミキシングまで行ってこれを完成させたというのだ。それと、クイーンの初期アルバムのジャケットに No Synthesizers(シンセサイザーは使っていません)と書かれていたのは有名な話だが、この Queatles の説明文に No one used A.I. on this!(A.Iは使っていません!)と書いてあるのが今という時代を反映していて面白い。
「Killer Queen」風のピアノに乗って歌われる「Michelle」もツボを押さえたアレンジがキラリと光るカヴァーだ。全編で大きくフィーチャーされているブライアン・メイ風ギターはレッド・スペシャルに瓜二つの音色だけでなく、弾き方もブライアンそっくりで、“これ本人が弾いてます...” と言われたら信じてしまいそうなくらいの完成度の高さだ。「Rubber Soul」パロジャケのブライアン・メイのマッシュルーム・カットが似合わなさすぎてジワる...(笑)
Michelle - -Queen play The Beatles
「Another One Bites The Dust」のリズムに乗って歌われる「Come Together」は “これしかない!” というくらい相性抜群の組み合わせだ。ブライアンの高速ギター・カッティングやロジャーの重たいドラミング、そしてジョン・ディーコンの粘っこいベース・ラインなど、クイーン風の演奏を忠実に再現しているところもポイントが高い。う~ん、面白すぎるwww
Come together - Queen play The Beatles
「Ob-La-Di, Ob-La-Da」はアレンジの完成度といい、ドラムの音録りといい、エコーのかけ方といい、シンセサイザーの使い方といい、「A Kind Of Magic」とのマッシュアップ作品として非常によく出来ており、作者の音楽的センスと技量、さらに両バンドへの深〜い愛情を感じさせる素晴らしい出来映えだ。パロディー作品としての完成度としてはこの作品中でも三指に入る大傑作ではないかと思っている。クイーンはあまり知らないというビートルズ・ファンはまず「A Kind Of Magic」の原曲を聴いてからこれを聴くと面白さが倍増すること請け合いだ。
Ob-la-di ob-la-da - Queen play The Beatles
「Strawberry Fields Forever」も上記の「Ob-La-Di, Ob-La-Da」に比肩する大傑作だ。ビートルズが原曲で用いたメロトロンをレッド・スペシャルの音色で代用するという発想が何よりも素晴らしいし、バックに流れる「The Show Must Go On」のシンセが「Strawberry Fields Forever」と見事に調和しているのも凄い。この人、マジで天才やわ。中盤で「I Want To Break Free」がちょい顔をのぞかせるところにも意表を突かれた。
Strawberry fields for ever - Queen play The Beatles (feat. Carlo Chirio on bass)
「Eleanor Rigby」の元ネタは「Flick of the Wrist」だが(←ロジャーそっくりの爆雷ドラミングにクッソワロタ...)、有名なシングル曲ではないので熱心なクイーン・ファン以外にとってはパロディーとしての面白さはイマイチ伝わらないかもしれない。しかし「Revolver」のアルバム・ジャケットをパロったカバー・デザインのインパクトは絶大で、今回のジャケット・マッシュアップの中では一番の出来ではないかと思う。
Eleanor Rigby - - Queen play The Beatles